優良事業所見学会で大和合金(株)三芳合金工業を訪問しました。
訪問日:令和5年10月17日(埼玉県入間郡三芳町上富474)
関東舶用工業会は10月17日、関東小型船舶工業会と合同で恒例の優良事業所工場見学会を実施、両団体から二〇名が参加し成功裡に終了した。特殊銅合金の製品のトップメーカーである大和合金/三芳合金工業の埼玉県入間郡の三芳工場を見学し、見学会後は懇親会が催された。同社の銅合金製品は、自動車、航空機、鉄道、船舶、重電、半導体などあらゆる分野に進出しており、様々な産業向けの完成製品を下支えする縁の下の力持ちといった存在だ。船舶分野では舶用製品のプロペラの可変ピッチのボルトやペラキャップ、油清浄機用のギア、各種ボルトなどで、NK認定のほかにABSやBV、LRといった海外船級の認定を受けており、トップメーカーならでは信頼の品質をユーザーへ提供し続けている。
同工場は加工・販売を担当する大和合金と、開発・製造を担当する三芳合金工業から組織されている。両社の代表を務める三代目社長の萩野源次郎社長は働き甲斐のある企業づくりをモットーに、従業員が互いの多様性を認め合う独自の人材育成に取り組んでおり、それを軸に、生産性向上や超短納期を巧く機能させることで、会社業績を大きく飛躍させることに成功している。同社の萩野社長は「素朴な社員と共に家族的社風で世界に挑戦したい。失敗を恐れずにリスクを取って挑戦し続ける経営を推し進めていく」と語る。
当日の見学会では、扱うのが貴重な銅合金とあって、加工時に出るクズは成型後に焼き入れし、溶解して再利用することで、スクラップ発生をほぼゼロに抑える工業内の完全サイクルを実現した環境に優しい工業づくりと、独自の社風づくりが注目された。人材不足対応では、現在社員総数166名のうち、29名が女性と同社では女性雇用も拡大しており、さらに海外人材では16名が従事、すでに社員全体の1割を占めるほどになっている。また、海外人材の特長としては、同社では外国人実習制度以外で入社しており、なかでも公立学校での英語教育で補助教員を行う自治体国際化協会の「JETプログラム」修了者の採用を進めているところ。すでに米国、英国、デンマークなどから入社があり、皆が優秀な現場人材として成長しており、国際色豊かな職場となったことで、日本人社員と双方で良い刺激となっているようだ。このほかにも社員の満足度アップに向けた社内学童の設置や近隣清掃活動を通じた地域コミュニティ向上で、地域からも愛される工場づくりが徹底されている。
参加者からは「事務所内だけでなく現場人材のあいさつが徹底されており、足を踏み入れた途端に、良い会社だと認識した」「多角的な人材育成を行っており感心した」等各活動に賛辞が送られており見学会参加企業にインパクトを与えて頂いた。