2024/9/24 Vol. 18
製造部 工務主任
稲葉 崇人(いなば たかと)さん
(2018年4月入社)
神奈川県横浜市 出身
生年 1995 年(29歳)
この会社を選んだ理由は?
昔から「ものづくり」や「技術」が好きだったこともあり、大学では機械工学を学びました。そのうちに、大きなものの製造に携わりたいと考えるようになり、プラント工場、造船業などに興味を持ちました。
就職活動をする中で、規模が大きな会社では分業制になっており、自分の裁量が小さくなるのではと考えていました。また、職種や配属先も希望どおりにいかないかもしれないと感じていました。
そのような中で、弊社の就職説明会に参加した際に、この会社なら、ある程度、自分の裁量で仕事ができて、自分の希望や考えを会社に伝えることができると感じられたからです。
また、多くの会社では、分業制で、エンジン部門の担当となればその他の部分は見ないといったことが考えられますが、弊社の場合は、船の船首から船尾まで、外側から内側まで、いわば船まるごと一隻について、そこに使われている技術や仕組みを自分で理解して、説明できる船の専門家を目指していけることに魅力を感じました。
大学時代に満員電車での通学に嫌気がさしていたところで、車通勤が出来ることも弊社を選んだ理由の一つです(笑)
どんな仕事をしていますか
製造部工務グループに所属し、船の修繕の工務監督を担当しています。入渠した修繕船を無事出渠させる仕事です。社内全体の年間の修繕実績としては150隻ほどで、その中で自分が携わるのは40隻ほどになります。
具体的な仕事は、1年に1回の入渠において、船主さんから工事内容を聞き取って仕様書を作成したり、弊社の職人さんや関連事業者さんへ工事内容を説明したり、部品や材料の手配を行ったり、仕様の変更に対応したりと仕事の段取りを組んで工期内にすべての工事を終わらせ船を出渠させることです。壊れた箇所を直すだけでなく、損傷を防ぐための整備もしています。
また、現場で仕事をしている人たちが安全に、また快適に仕事をできることを常に考えています。
仕事のやりがいや魅力は?
まずは、船が修理を終えて無事に出港していくのを見送るときに、ほっとしますし良かったなと思えるところです。それと、依頼主である船主さんや船長さんなどのお客様に「また、お願いしますね。」と言われることですね。1年間で入渠期間のたった5日~1週間程しか会うことのない中で、お客様にまたお願いしたいと言ってもらえる時は、「ありがとう」以上のものがあると感じています。
また、古い船で故障した部品が手に入らない場合などに、みんなで知恵を出し合ってなんとかして対応し、船が動くようになった時はうれしいですし、やりがいを感じます。造船所が諦めたら船を動かすことはできなくなってしまうので何とかして助けてあげようと思います。仕事を通じて日増しにどうにかして問題を解決する力がついていく気がしています!
職場の雰囲気は?
社内は、おしゃべり好きで気さくで明るい人が多いです。自分は、普段、現場と工務室を行き来していますが、それぞれに良好なコミュニケーションが取れており、良い雰囲気だと思います。
作業中に、重い物を持ち上げる力仕事がある時に、助けを呼ぶと皆さん自分の仕事がある中ですぐに来てくれますし、時には目が合っただけで手伝いに来てくれることもあり、とてもよい光景が見られます。その光景を見ている自分も職人さんと目が合って、手伝いをさせられることもあります(笑)
また、台風が千葉県を襲った際、地域によっては停電やそれ以上の大きな被害を出しましたが、会社に食料や水を持ってきて配ったりする社員もいて助け合いの精神がある会社だと思いました。
一方で、祭りの時期になると、祭りの開催に合わせて地域ごとに休む人が決まっていて、地域に根差した会社であることが個人的には好きです(笑)
会社のアピールポイントは?
設備面ではシンクロリフトです。この設備は船体に負荷をかけずに上架できますし、上架にかかる時間も短いので作業計画が立易く、働く人達にとっても、上架後の作業場が平面のため高所作業車や足場が設置し易く良い職場環境です。他の造船所から来た人に言わせると「アイ・エス・ビーは天国」だそうです。
また働いている人達の面でいうと職人さん一人一人が自分たちの技術に誇りをもって働いていることです。出航した後に不具合が出ないように、修繕を頼まれていない箇所でも悪いところが見つかれば、見て見ぬふりをせずにきちんと対処しています。
このような対応が信頼につながって、「また来年もお願いします。」という言葉に繋がっていると思います。
※シンクロリフト:船体をリフトで垂直に上下させる昇降装置で新造・修繕ともに船体の上下架はシンクロリフトで行います。
働いていく中で心がけていることは?
人の話を最後まで聞くことを心がけています。
お客様に対しては、工事の発注の際に様々な要望を聞き、話し下手な人からも発注の目的や意図をくみ取れるようにきちんと話を聞くようにしています。工事の最中で言われた要望も、作業をしている職人さんと共有して、新たな工程を増やしたりして要望に応えられるようにしています。
職場内では、分からないことは職人さんたちへ何でも聞くようにしています。仕事中で多忙であっても、時間をかけて経験談や知識を聞いて学ぶことがより良い仕事に繋がっていくと思っています。
休暇や残業は?
弊社は17時が定時です。自分は、現場と工務室を行ったり来たりしていますが、現場作業での残業はほぼありません。あっても年数回です。
工務室での事務作業では、書類の作成、工事写真のまとめが多い船を担当すると、時間がかかり残業することがありますが、それでも1日1時間~1時間半くらいにしています。
弊社は日曜日、第2・4土曜日と祝日が休みで、第1・3・5土曜日は出勤です。
チャレンジしたいことは?
自分は熟練工の職人さんと同じような専門的な知識があるわけではないので、これからも様々な分野の勉強をし続けなければならないと思っています。自分は熟練された様々な仕事を見ることができる立場にあるので、熟練工さんがこれからリタイアして少なくなっていく中で、その人達が今までに培った技術を見て理解し、吸収したいと思っています。
新しい技術は自分で勉強したり、メーカーさんに教えてもらったりすることができますが、見たことのない壊れ方をしているものの治し方や、将来的に故障するだろうリスクを予測することは熟練工さん達から学ぶしかありません。
昔の職人さんたちは厳しい指導の中で長時間働き、職人同士の競争もあるという厳しい環境下で経験を積んで、膨大な知識と技術を身につけてきたと思いますが、これからはその培われた知識と技術を失うことのないように、さらには現在の限られた労働時間の中でどれだけ熟練工さんと同じ技術を身につけていけるが大事になると思います。
そのために、熟練工さんが培ってきた技術や考え方を自分が学び理解することはもちろん、後世に伝えていくことが課題だと考えています。今まで直せていたものが直せないということではだめですので、これまでに熟練工さんが体験したことを聞いて吸収し、自分が問題に直面した時に対応できるようにしておきたいと思っています。その上で次の世代に自分が修得した技術を伝えていくことが出来るようになればいいと思います。
趣味や休日の過ごし方は?
趣味は学生のときからやっている軟式テニス、ダイビングです。ダイビングは、自宅からも近く海が綺麗な館山に潜りに行くことが多いです。昨年10月には石垣島に行ったのですが、最高に楽しく思い出に残る旅行でした。また休日は、妻と買い物に行ったり、アクアラインを使って地元の横浜まで帰って友達と会ったりしています。
なにか予定があるときや旅行に行く時などは、工務の先輩や上司が変わってくれるので、有難く休ませてもらっています。
いつもの一日
例(とある一日)
8:10~8:25 |
始業・朝礼・場内清掃・ラジオ体操 |
8:25~9:00 |
現場周り(現場作業の進捗確認、作業内容のすり合わせなど)、 官公庁船の工事に係る打ち合わせ |
9:00~10:00 |
工務室での事務作業(仕様書・見積書の作成、部品の注文など)又は現場周り |
10:00~10:10 |
休憩 |
10:10~12:00 |
現場周り |
12:00~13:00 | 昼休み |
13:00~15:00 | 工務室での事務作業 |
15:00~15:10 | 休憩 |
15:10~17:00 | 現場作業内容や工事内容に係る協議 |
17:00 | 終業/退社 |
最後にひとこと
この記事を見た人がいたら、ぜひ一度弊社に見学に来ていただきたいです!
この業界は人目に付きにくいため認知されていないことも多いですが、様々な専門職の人が働いていて色々な仕事があることをもっと知ってもらえたらと思います。
●会社情報
株式会社アイ・エス・ビー 【造船業】
〒293-0011 千葉県富津市新富41-2
TEL:0439-88-0700(代)
《ホームページURL http://www.isb-se.co.jp/》
(本件窓口 : 製造部 伊藤取締役製造部長 様)
コメントをお書きください